待つよろこび

3月になりました。

僕はと言えば、毎日どこからともなく飛んでくる花粉に泣かされたり泣かされたり泣かされたり。
流れ落ちる鼻水と、抑えることのできない目のかゆみと、止まることのないくしゃみの毎日。
こんなことを書いているとなんだか身体までむずがゆくなってくるから不思議。

そんな訳で毎年3月になるとつらい毎日から僕はどーんと沈みがちになるのです。
そう言えば去年の3月なんて花粉とともにいろいろな状況がふりかかり、それこそどよーんと沈んじゃって、web上から完全に姿を消してしまいました。あの時は周囲の友人にひどく心配をかけちゃいました。関係者のみなさん、その節はご心配をおかけしました。

今年も花粉はあいもかわらず酷いのですが、今月から仕事がバタバタと慌ただしいこともあり、どよーんと沈んでもいられません。
泣いても笑っても花粉は飛んで来ますから、ここは逆に一念発起でマスクをしつつ笑い飛ばしてやる心づもりです。

そんなこんなで、花粉だけじゃなく春もすぐそこまでやって来ています。
耳を澄ませば足音が聞こえてきそうな気配。
まだまだ寒い日もあるけれど、日中は穏やかな陽気に包まれる日も多い。
雨の降る日も多い気がします。特にこの季節の雨は花粉の飛散量を少なくするので僕は嬉しい。

降ったり止んだり。
寒かったり暖かかったり。

そんな変化を少しずつ繰り返しながらゆっくり春になっていく。
とても好きな季節でもあります、花粉さえなければ。

何よりこの季節には、春を待つ喜びがある。
春が訪れたら訪れたで、それはとっても心地のよいものだけれど、春爛漫を謳歌する幸せとは別に“春を待つ幸せ”というものもあるような気がします。

まだ春にはなっていないけれど、春の楽しさをあれこれと想像しながら待つ喜び。
それは例えばフィルムを現像に出して待ちわびる日々に似ているかもしれない。

小さいけれどもほんのり暖かい充足感。
とても幸せな夢を見ている時のようなほんわりとした満足感。

それは、春爛漫や夏真っ盛りの心地よさとは別の
とっても大切で素敵な心模様。

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なんば英國屋で勉強会のようなことをしてきた

先日、大阪なんばでwebに携わる人たちが数人ほど集まり勉強会をしてきました。
とは言っても「何を勉強するか」がまだ詳しく決まっていなくて、そのことについて取りあえずみんなで話そうと言う、いわば顔合わせのような集まりでした。

今までもネット経由で知り合った人の中にはwebに携わっている方が多かったのですが、今回のように実際に普段どういった仕事をしているか等含めてお互いの詳しい自己紹介をするのは初めてだったのでとても新鮮でした。

人の話を聞くのって興味が湧いて、とても楽しいし刺激になります。

そんな僕は自分語りがとっても下手で、仲の良い周囲の友達にも何をしている人か分かってもらえてなかったりすることが多いので少し反省。

まずは顔合わせの雰囲気「第0回」と言ったところだったので、今後「第1回」「第2回」と続いて、みんなが切磋琢磨しながらそれぞれが学べる場所になれば素晴らしいなと思います。


頭ん中 の人が書いているように会場も良かったですね。

それはそうと
会場として使わせてもらったお店が素敵だった。

街のど真ん中で部屋を使わせてもらって場所代は無料。
写真を撮ってこなかったのが悔やまれるんだけど
雑談してるのが申し訳なくなるぐらいエレガントな部屋。
5人から40人ぐらいまで対応できるそうな。

部屋代は無料でも
お店なのでもちろん注文はします。
今回は全員ケーキセット。
飲み物とシフォンケーキがついて900円。

大阪なんばで勉強会のようなことをするのにいい場所 - 頭ん中

僕は一眼レフを持って行ったのにも関わらず
目の前の美味しいチョコシフォンケーキとおかわり自由の珈琲に夢中で
みんなの興味深いお話に夢中で
写真を撮ってくるのをすっかり忘れてしまいました。

次回も同じ会場で開催するなら絶対に忘れず写してこよう。

今年も今日で2月が終わります。2009年の1/6が終わったことに。
あまり悠長にのんびりしてないで
しっかりと前を向いて1歩づつ確実に歩いて行こうと思ったのでした。

パリ・ドアノー

日中、陽が射せば随分と暖かく感じるようになってきました。
日暮れどきも少しずつ、でも着実に遅くなってきています。
朝目覚めてカーテンを開けると、以前は真っ暗だった空が最近はすっかり明るくなっている、そんな人も多いかと思います。

こっそりと忍び寄って僕たちをびっくりさせようとする無邪気な子供みたいに、静かにやって来る小さな春の兆しを感じさせてくれるから、2月は嫌いじゃありません。

でも、陽が沈むとまだまだ。
ぽかぽかのこたつやストーブが、湯気で真っ白なお風呂が、あったかいお布団が恋しい季節はまだ後もう少し。

大阪とは言え、夜は凍りつくように冷え込みます。
昼間の暖かさが嘘のように、まるでそのまま永遠に世界が凍りついてしまうかのように。

凍りついてしまった瞬間は、未来と引き替えに永遠の命を手に入れる。

先日京都まで見に行った「ロベール・ドアノー写真展
そこにはカメラマンよって切り取られた奇跡の瞬間がたくさん展示されていました。

時間の流れにあらがう術のない僕たち人間のささやかな反抗。

時の止まったプリントの向こう側には確かに永遠がありました。

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ただしそこはフランス人、さすがパリを撮り続けた人だけあって、エスプリの効いたユーモア溢れる写真の数々からは、そういった刹那的、感傷的な空気は少しも感じません。

むしろ見ていてあったかい幸福な気持ちで満ちてくるのは、前回の記事でも少し紹介したエリオット・アーウィットと似ているのかも。

僕も写真で目指すところはそういう風でありたいと、見つめ直した今日この頃。
本格的な春到来までほんとに後もう少し。

The First of a Million Kisses/Fairground Attraction

バレンタインもとっくに過ぎてしまいましたが、少しそれらしい記事を。

First of a Million Kisses

First of a Million Kisses

フェアーグラウンド・アトラクション、直訳すると「移動式遊園地の出し物」とでも言ったところでしょうか。
イギリスはスコットランド出身のこのバンドは、1988年にたった1枚だけ、バンド名の通り永遠のキラキラを詰め込んだ宝物のような、素晴らしいオリジナルアルバムを残して解散してしまった伝説のバンドです。

アコースティックなサウンドを基調として、そこにジャズっぽさもブレンドしつつリラックスした演奏。
トラディショナルな雰囲気を醸し出しながら、全体を貫くお洒落でロマンティックなフィーリング。
どこかノスタルジックで甘酸っぱくて、だけど爽やかで楽しげ、聞いていて心から幸せな気分に浸れる、そんな素晴らしい音楽です。

特に紅一点のボーカル、エディ・リーダーの歌声がすごく魅力的。
とっても可愛いんだけれど媚を売ったようなところはなくて、表情豊かでどこかしら格調高い。

たった1枚のオリジナルアルバムを発表し解散したフェアーグラウンド・アトラクションですが、デビューした時点でメンバーはストリート・ライブを長く演奏して来た実力派だったそうです。
その実力に裏打ちされた素晴らしい演奏と楽曲を、一瞬の輝きとして封じ込めたこのアルバムはまさに時代を超えた名盤だと思います。

1曲目「A Smile In A Whisper(愛の微笑み)」で幕を開けるこのアルバム。

この曲を聞くとそれだけで僕は胸が一杯になります。
感傷に胸が掻きむしられる気持ちと、得も言われぬ幸福感から涙が溢れそうになっちゃいます。

続く2曲目は全英No.1になったシングル曲「Perfect」
残念ながらYouTubeにある原曲PVはことごとく「リクエストによる埋め込み無効」になっているのでBONNIE PINKの素敵カバーVerを貼り付けておきますね。

原曲PVを見たい方は以下リンクからどうぞ。*1
http://www.youtube.com/watch?v=_OWzDP5cnE0


1曲1曲、どれもがクオリティ高く、それぞれの曲がまるで短編映画を見ているような錯覚に陥ると言えば言い過ぎでしょうか?浮かんでくる映像のどれもがジャケットと同じように白黒かセピア色をして、叙情的に胸に迫って来ます。

Elliott Erwitt(エリオット・アーウィット)の「Santa Monica, Caifornia, 1955」からトリミングしたジャケットも素晴らしい。
アルバムタイトルは邦題では「ファースト・キス」ですが、原題は「The First of a Million Kisses」
つまり「(2人がこれからする)百万回のキスのうちの、最初のキス」
ジャケットと併せてとってもロマンティックですね。

ジャケ買いしたとしても決して外れではないこのアルバム
いつかLPで持ちたい僕の永遠のマストアイテムです。

例えば、朝目覚めて飛び込んできた青空の下。
例えば、パラパラと雨音がノックする車の中。
大好きな人と過ごす空間や、一人物思いにふける夜。
きっと大切な時間にそっと寄り添ってくれるアルバムだと思います。

あなたの大切な人に、心からあたたかくなる1枚のプレゼント
どうですか?

*1:この原曲と俵万智をかけると、ドリカムの「あなたにサラダ」になると思うのは僕だけでしょうか(笑)?

岡本梅林公園に行ってきました。

気づけばもう1週間。月日は百代の過客。

春を待ちわび待ちきれず、阪神間は東灘区岡本にある「岡本梅林公園」まで梅を見に行きました。
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今回から画像をはてなフォトライフからではなく、Flickrから引っ張って来ることに。
画像をクリックすればFlickrのページへ行きますので、オリジナルサイズを見たい方はそちらへどうぞ。

昔から関西では「梅は岡本、桜は吉野、みかん紀の国、栗丹波」と唄われていたんだとか。

1938年(昭和13年)の阪神大水害に伴う山崩れ、第二次世界大戦の戦災、戦後の宅地開発などが続いたため、梅林はほとんど消滅した。その後梅林の復興が行われ、1982年(昭和57年)に岡本梅林公園として整備された。

岡本梅林公園 - Wikipedia
こうして今僕たちが目にする、落ち着いてたたずむ梅の花にも歴史あり ですね。
春の訪れを感じる穏やかな午後に、知る人ぞ知る場所で艶やかな梅を見、ゆっくりとシャッターを切りつつ、至福な時間は和やかに過ぎて行くのです。

4月生まれの僕は昔から桜が大好きなのですけれど、こうして凜とたたずむ梅もとっても素敵。
渋いと思っていた梅だけれど、それを「シック」なんてことばで表す貴方も素敵。



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チョコレートのその向こう

自分の中で非常にタイムリーな話題でした。
何かがほんの少しですが繋がった気がしました。

先の週末に入った山手にポツンとたたずむ駅前の一軒家カフェ。
ギャラリーと雑貨屋さんが併設されている一軒家カフェ。


FARMHOUSE CAFE(岡本駅前の一軒家カフェ)

かわいいインテリアの店内は流れる時間がゆったりとしていて
大好きな人と訪れたから、と言う理由だけではない
とても居心地のいい空間を育んでいるカフェでした。

カフェ内の壁に貼ってあった「フェアトレード」の説明。
併設された雑貨屋さんで販売されていた「フェアトレード」商品。


知識が乏しい僕は彼女に詳しい話を少し教えてもらいました。


家に帰ってからいつものようにRSSフィードをチェックして
dubstronica さんのblog記事を読みました。

どういう角度から見るかで見え方が全然違ったりすると思うし、自分が見えているのはあるひとつの方向からだけじゃないのか、って思うことはとても重要だと思うし、そうやってバランスというものの存在を感じたりすることも重要だと思いますし、そんなこと考えすぎてたら言いたいことも言えなくなってしまうとも思います。

それでも誰かに伝える、というのは大事だと思っていて、それがblogである必要もないけれど、ボクはこのエントリーを読んだことを誰かに伝えたくなったのでエントリーを書いてみました。
チョコレートの先にあるもの - 拝むように弾いてくれ

リンク先の記事に書かれていた内容はフェアトレードモノカルチャーについてのことでした。
バレンタインに読んでもらいたいチョコレートの話 - フランシーヌの場合は

ちょうどモノカルチャーと言う概念については先月以下の記事で知り、はてなブックマークしたところでもありました。
食料危機は なぜおきるか。 - hituziのブログじゃがー

僕も dubstronica さんが書いているのと同じ気持ちで
本当か嘘かはひとまず置いておいて、「そういうことがそこにある」ことに対して
自分なりに考えてみたり、思いをめぐらすことが大切だと思います。
例え、言いたいことや意見がすぐに出てこなくたってそれはそれでいいとも思います。

知ることは諸刃の剣だと思うのです。
知る喜びがある反面、知る悲しみもそこには存在すると思っています。
だけれど、それについて知らないで毎日をやり過ごすよりはいいと思うのです。

うまく書くことができないのですが
お茶しに入ったカフェで知ったフェアトレードのことと
dubstronica さんのblog記事で知ったことが
自分の中でリンクしたのでこの記事を書きました。

僕はチョコレートが大好きなのですが
その向こうに広がる世界のことを考えるきっかけになったのです。

手作り いちご大福

友達の家で、いちご大福を作って食べてきました。
ことばで表すよりも、写真の方が視覚と味覚を同時に刺激しつつ
たくさんのことが伝わると思いますので、画像が多いですがどうぞ。


バットに食材を並べるだけでも、こんなに美味しそう!
白いホーローのバットにいちごの赤が映えますね。


白玉粉と水とお砂糖を熱しながら混ぜます。
最初は白っぽいのが、乳白色を通り越して
少し透明になるまで手を休めてはダメです。
この作業はなかなか疲れました。でもここが踏ん張り所。


その間に平行して、こちらではいちごを餡で包みます。
いちごの先を少し出しておくと、お餅で包んだ時に
赤い色が透けて見えてかわいいんだとか。


たくさんの餡で包まれたいちご達。
もうこの時点でかわいい!


さぁ、いよいよ今から熱々のお餅を伸ばしていきます。


白玉粉なのに餅米をついたのと見た目が変わらないほどのお餅らしさ!
熱々なので火傷に注意です。


片栗粉をまぶしつつ、伸ばしてちぎって丸めます。
うまく包めるかな?


いびつな形ながら完成!
我ながら上出来じゃないでしょうか?


参加出来なかった友達用にとビニールとアルミカップで
お店さながらにラッピング。
こういう心遣いがすっと出てくるって素晴らしいですね!


では、いただきます!


美味!
これは病みつきになりそうです。

いちごのへたを取る作業から、完成して食べるまでおよそ1時間。
こんなに簡単で美味しいのなら、家で作ってみようかなあ。