The First of a Million Kisses/Fairground Attraction

バレンタインもとっくに過ぎてしまいましたが、少しそれらしい記事を。

First of a Million Kisses

First of a Million Kisses

フェアーグラウンド・アトラクション、直訳すると「移動式遊園地の出し物」とでも言ったところでしょうか。
イギリスはスコットランド出身のこのバンドは、1988年にたった1枚だけ、バンド名の通り永遠のキラキラを詰め込んだ宝物のような、素晴らしいオリジナルアルバムを残して解散してしまった伝説のバンドです。

アコースティックなサウンドを基調として、そこにジャズっぽさもブレンドしつつリラックスした演奏。
トラディショナルな雰囲気を醸し出しながら、全体を貫くお洒落でロマンティックなフィーリング。
どこかノスタルジックで甘酸っぱくて、だけど爽やかで楽しげ、聞いていて心から幸せな気分に浸れる、そんな素晴らしい音楽です。

特に紅一点のボーカル、エディ・リーダーの歌声がすごく魅力的。
とっても可愛いんだけれど媚を売ったようなところはなくて、表情豊かでどこかしら格調高い。

たった1枚のオリジナルアルバムを発表し解散したフェアーグラウンド・アトラクションですが、デビューした時点でメンバーはストリート・ライブを長く演奏して来た実力派だったそうです。
その実力に裏打ちされた素晴らしい演奏と楽曲を、一瞬の輝きとして封じ込めたこのアルバムはまさに時代を超えた名盤だと思います。

1曲目「A Smile In A Whisper(愛の微笑み)」で幕を開けるこのアルバム。

この曲を聞くとそれだけで僕は胸が一杯になります。
感傷に胸が掻きむしられる気持ちと、得も言われぬ幸福感から涙が溢れそうになっちゃいます。

続く2曲目は全英No.1になったシングル曲「Perfect」
残念ながらYouTubeにある原曲PVはことごとく「リクエストによる埋め込み無効」になっているのでBONNIE PINKの素敵カバーVerを貼り付けておきますね。

原曲PVを見たい方は以下リンクからどうぞ。*1
http://www.youtube.com/watch?v=_OWzDP5cnE0


1曲1曲、どれもがクオリティ高く、それぞれの曲がまるで短編映画を見ているような錯覚に陥ると言えば言い過ぎでしょうか?浮かんでくる映像のどれもがジャケットと同じように白黒かセピア色をして、叙情的に胸に迫って来ます。

Elliott Erwitt(エリオット・アーウィット)の「Santa Monica, Caifornia, 1955」からトリミングしたジャケットも素晴らしい。
アルバムタイトルは邦題では「ファースト・キス」ですが、原題は「The First of a Million Kisses」
つまり「(2人がこれからする)百万回のキスのうちの、最初のキス」
ジャケットと併せてとってもロマンティックですね。

ジャケ買いしたとしても決して外れではないこのアルバム
いつかLPで持ちたい僕の永遠のマストアイテムです。

例えば、朝目覚めて飛び込んできた青空の下。
例えば、パラパラと雨音がノックする車の中。
大好きな人と過ごす空間や、一人物思いにふける夜。
きっと大切な時間にそっと寄り添ってくれるアルバムだと思います。

あなたの大切な人に、心からあたたかくなる1枚のプレゼント
どうですか?

*1:この原曲と俵万智をかけると、ドリカムの「あなたにサラダ」になると思うのは僕だけでしょうか(笑)?