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そして夏がいなくなった*1


どこまでも続く高い空
地平線と混ざりあって渚になる


幾層にも織り成す鱗雲は
太陽から鋭気を奪ってしまった


潮を運ぶ浜風は彼女の髪を揺らし
雨上がりの土のにおいは僕を高揚させる


夏が終わる


僕達を包む大きな音とは裏腹に
夏は足音も立てず
今まさに
静かに去って行こうとしていた




うちわ、かき氷、汗をかいたペットボトル
エピローグを惜しむよう
フィルムに焼きついて消えぬよう
光を差しては存在感を示す


頬をなでる心地よい風




やがてひと夏を演出した太陽も疲れ果て
西空に頭を垂れる頃
飛行機は名残惜しげに
茜雲の向こうへ消えていった


コオロギが鳴いていた


秋の手触りをした闇と
切なくも儚い音が
僕達を包み夢を見せる



さようなら、色とりどりの夜空の花
さようなら、僕達の夏





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